-尾上有紀子氏- (船団:1999年8月)
来月の句会の季題は「花冷」との通知に慌て、
歳時記を開き、ネットで花冷俳句をまずは探してみた。
何故慌てたかと言うと、
そうでなくても儚い桜の咲く頃に冷える時候だなんて
季語だけでどっぷり厭世的、
残りの13文字に何を持って来ても
季語のキャラクターから抜け出せない様な気がしたからだ。
抜け出そうと抗う代わりに香水の様にそっと引いて
「花冷を少し纏ひて来られしや(稲畑汀子)」、
なんなら主人公にしてしまって
「花冷のあてにしてをる池ひとつ(岡井省二)」…
でもやはり訃報だ形見だと言う句の方が多い中、
燦然と光り輝くこの句の軽快さ!
この季語を見つけて以来
儚さの真綿怪獣に押し潰されそうになって居た私の元へ
さっそうと現れた仮面ライダーのごとし。
「花冷」に「快速」で列車かと思いきや
「吟行」…歩いてるの?
それもたったの15分。
詠まなきゃ歩かなきゃの焦りと
おまけに寒いの花冷、
あ、そうそう
桜も咲いてるわね、
忙しくてそれどころじゃないわよ。
Den Hügel stampfend - 丘を踏み
8 years ago
0 comments:
Post a Comment